日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年1月25日良い人間関係を築く話し方とは?



★日本話し方センターの講師は『まずほめる』


日本話し方センターの話し方教室の受講生と話をしていると、「先生はとにかくほめてくれるので、とてもやる気が出ます!」という声をよく聞きます。受講生の言葉通り、日本話し方センターの講師は受講生が話し方の実習でスピーチした後、まずよい点をほめます。「前回よりも声が大きくなりましたね!」「最後まで笑顔で話され、話の内容と表情がマッチしていてとても聞きやすかったですよ!」など。そして、その後に「一分を短く話すと更によくなります」「前置きの説明が長いのでもう少しカットしてスッキリさせましょう」など、改善点をアドバイスしています。





★ほめることで継続してもらえる


先に述べたように、日本話し方センターの講師は全員、受講生のよい点をほめてから次の課題をアドバイスしています。私はその効果は主に2つあると思っています。


話すことに強い苦手意識がある受講生に「もっと大きな声で!」「話が長すぎる。余計なところは削って!」などといきなり改善点を指摘したらどうでしょう。昭和や平成の初期であればそういう指導の仕方も一般的だったでしょう。しかし、今はそういう言い方では人は受け入れてくれません。特に話し方教室の受講生はただでさえ苦手意識がある話し方を学ぼうとしています。ダメ出しばかりされてはやる気もなくしてしまうことでしょう。良い点を伝えることで、トレーニングを継続できるのです。




★ほめることで成長に気付いてもらえる


また、まずほめることは受講生に気付きを与えることでも有効です。受講生は自宅で話し方の練習をして教室に参加しています。練習した分、確実に以前よりもよくなった点があるはずです。でも本人はそのことに中々気付けません。人は良い点よりも欠点に意識を向けがちだからです。なので、良くなった点を言葉にして伝えて成長を実感してもらうことも講師の大切な役割なのです。こうした理由で講師はまずよくなったところを伝えるようにしています。




★ほめることで円滑な人間関係を作る


ところで、私はこの最初によい点を伝えるという方法は、現在のコミュニケーションの取り方として、とても重要なことだと思っています。
一般に仕事で上司が部下を教育・指導する場合、「また資料に間違いがあったのか! 君は作った資料をきちんと確認しないから、いつもこんなつまらない間違いばかりするんだよ!」というような言い方をよくみかけます。これは相手の欠点に焦点を合わせて、それを指摘することに意識を集中させた言い方です。


しかし、こうした言い方は現在の20~30歳代の人には受け入れられなくなりつつあります。話は相手に受け入れられるように話さないと伝わりません。話の責任は話をする方にあります。上司は現在の20~30歳代にも伝わりやすい話し方をする必要があるのです。
では、どういう話し方がよいのでしょうか。


上の例であれば、
「いつも資料を作ってくれてありがとう。期限通りに仕上げてくれたのでしっかりとチェックできたよ。ところで、今回も数カ所に誤りがあったんだけど、これは見直しをしていなかったからかな?」
(部下の「はい。していませんでした」という答えを受けて)
「じゃあ、君がもっと人から信頼される仕事ができるようになるためには、今後どういうことに気をつければいいかな?」
という話し方の方が伝わりやすいでしょう。


この例は、冒頭に紹介した日本話し方センターの講師の話し方と同じです。つまり、まず相手の現状を肯定的に受け入れた上で、もっとよくなるにはこうした方がよいと思う、ということを共感的に話す、というスタイルです。(この例では、部下により気付きを与えるために最後は質問形式にしています)




★欠点を改善点と捉えて話す


人はとにかく他人の欠点に目が行きがちです。その目についた欠点をそのまま指摘する、というのが今までの上司の話し方でした。しかし、その欠点を欠点ととらえるのではなく、今よりももっとよくなるための改善点ととらえて話すとよいでしょう。しかし、20年以上社会経験のある上司の方には、この考え方は部下に迎合的で納得できないもの、と思われるでしょう。私も40年弱の社会経験があるので、その気持ちは痛いほどよくわかります。しかし、上にも書いたように話は相手に理解されて初めて価値が生まれます。自分よがりの話し方では相手に伝わる可能性は低くなってしまいます。
ぜひ相手に伝わる話し方を常に考えていただきたいと思います。




★話し方を学んで良い人間関係を築きましょう!


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでは、上に述べたように講師が受講生の「今」を肯定的に受け止めてから、次のステップに行くためのアドバイスを差し上げています。苦手な話し方のトレーニングを少しでも楽しんでいただけるよう創意工夫を重ねています。


ぜひご受講をご検討ください!

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